経営企画室 宇野です。
小説にまつわる、最近私の体験した不思議なお話です。
先日、村上春樹氏のある小説を本屋で眺めていました。その中で、前々からタイトルを知っていたある本を手に取り、10数ページ読んだところで、これは面白いと思いレジに行きました。その予想は見事に的中して、話の世界にどんどん吸い込まれていきます。情景描写がありありと浮かんできて、まるで映画を見ているようでした。
ただ、読みながらある種の違和感というか、不安が頭をよぎっていました。それは以前にどこかで読んだことがあるのではという疑惑です。しかし、読み進めていけばさすがに、その謎も解けると思っていたのですが、なかなか確認を得られぬまま、いつも以上に映像化されたイメージの中を心地よく泳ぐように読み進んでいきました。
なかなか信じてもらえないかもしれませんが、残り50ページを切ったところで、以前に読んだということが判明。どうやら、数年前に町の図書館で借りて読んでいたようです。自分の記憶力の悪さに呆れつつも、この不思議な体験に遭遇できたことは、むしろ幸運だったんじゃないかと我ながら大満足でした。
1度読んだ小説を再び読むことで、映画のセットのようなものが頭の中に出来上がるのかもしれません。1度目はセットを作りながら読むのですが、2度目は既に出来上がったセットを使えるのでイメージ化しやすいという分析をしました。どちらにしても、2度読みというのは悪くないかもしれません。
特に、前に読んだことを忘れて、再び読みむというのは(そんな人、なかなかいないだろうと言われそうですが。)