森田和信です。
先週イタリアへ行ってきました。目的はミラノで毎年行われる世界的家具展、サローネでした。サローネについては膨大な情報が流れてますので、今更私が語るまでもありませんが、一言で言うと世界で一番大きな家具祭りと言ったところでしょうか。もともと商談の場としての意味合いが強かったイベントですが、現在では世界中のデザイナーが実験的なプレゼンテーションする場となりつつあり、世間の興味も「デザイン」という部分にのみ集中しているようです。
今回サローネの視察は2回目だったのですが、商品のデザインやブースのレイアウト、そしてなんといっても会場の大きさと来場者の数に、またもや圧倒されました。この家具展のメインは、フィエラという恐ろしく大きな会場なのですが、この期間は町中でも多くの家具展が開かれており、深夜までお祭り騒ぎ、こちらの方を楽しみに来られてる人も多いようです。
サローネに出展する会社は、会場内と会場外も含めて2000社から3000社の間だと言われています。イタリアの商工会議所の家具メーカーとして登録されている会社は3万社らしいので、サローネに出展するのはイタリアの家具メーカーのほんの一部だとも言えます。
そのサローネに参加するメーカーが、2万種類以上の新製品をこの時期に一斉に新製品を発表します。一つの産業が同時期に2万種類の新製品を発表するという状況は、日本のどんな市場にあてはまりません。
このようにイタリアという国で、インテリア家具が盛大に騒がれるのは、ビジネスや風土など様々な要因がありますが、イタリア人のもつ「個」に対するこだわり、そしてそれを表現する最も大きな媒体としてインテリア家具をこよなく愛しているとこに原点があるような気がします(それらがすべてビジネスとして成り立っているとは考えにくい)。
とにかくデザインの先進性は、多様性に培われていくと思います。合議制が強い日本からみて、個人の価値観が製品にダイレクトに反映されている商品群は、少し羨ましく思います。
業界外の方ももし行けば、色んな刺激を受けられることは間違いありません。ぜひご視察下さい。